胃の写真

消化の下準備をする

食物を流動上に撹拌し、十二指腸での消化・吸収に備える。

主な働き

  • 食物を胃液と混ぜて撹拌する。
  • 食物を殺菌する。
  • 食物を十二指腸での消化具合に合わせて一時的に貯蔵する。
  • 食物を十二指腸に送り出す。

胃液を分泌する胃腺

1平方センチメートルあたり100個もある胃腺

胃は、成人で約1.5ℓの容積を持つ袋状の消化器官です。

食物を胃液と混ぜ合わせて撹拌し、十二指腸での本格的な消化・吸収に備えるのが主な役割です。

胃の内部の波打つように並んだひだには、胃液を分泌する胃腺の孔が、1平方センチメートルあたり100個開いているとされています。

噴門部と幽門部の胃腺では、胃を保護するための粘液を胃底部や胃体部の胃腺からはペプシノーゲンや塩酸を多く分泌します。

幽門前庭部では、アルカリ性の粘液を出す腺があり、胃液で産生になっている食物を十二指腸へ送る前に中性にします。

食物を撹拌するしくみ

筋肉の伸縮運動で食物をこなす

胃の筋層は縦走筋、輪状筋、斜走筋という三層の平滑筋から構成されており、これらの筋肉が、縦、横、斜めに収縮と弛緩を繰り返し食物は胃酸と混ぜ合わされ、粘液状になるまで粉砕されます。

この胃のぜん動運動は、20秒間隔で起こり、徐々に内容物を幽門の方に送り出します。

幽門は、括約筋でできていて、胃から十二指腸への出口にあり、ここを通過する食物が中性か弱酸性なら開きますが、強い酸性の場合は、十二指腸の内壁が酸でただれるのを防ぐために反射的に閉じてしまいます。

胃の病気 一覧

攻撃因子(胃液)と防御因子(粘膜)の連携

三種類の胃液

塩酸やペプシンが主成分

胃の内壁には、多くの分泌腺があり、食物の撹拌を助けるために1日に約1.5ℓ~2.5ℓもの胃液を分泌し、胃液の主な成分は、塩酸、ペプシノーゲン、粘液の3つです。

「塩酸」ph1.0~2.5とかなり強い酸性で、皮膚をただれさせるほどの力があります。

壁細胞から分泌されるこの強烈な酸性で食物を殺菌し、腐敗を防ぎます。

「ペプシノーゲン」主細胞から分泌されるペプシノーゲンは、塩酸によって活性化されるとペプシンに変わります。

ペプシンはタンパク質の大きな分子を細かく分解する消化酵素で、十二指腸での本格的な消化・吸収に備えます。

「粘液」胃の内壁が、強い塩酸に侵されないように保護する作用があります。

胃そのものが胃液に消化されないのは、この粘液が副細胞から分泌されるからです。

ゲップは何故出るのか?

ビールの炭酸や食事の時に飲み込んだ空気は、上部にある胃底部に溜まります。

その気体が一定量に達すると、胃の収縮で噴門が開き口から排出されます。これがゲップです。

嘔吐はなぜ起こるのか?

嘔吐は、胃に有害な物が入った時に吐きだそうとする反射運動です。

嘔吐中枢からの命令で胃の幽門が閉じ、噴門が開いて、食道の収縮運動により吐きだされます。

ストレスで崩れやすい胃のシステム

胃液の分泌量を調整する自律神経

胃液の分泌や胃の運動は、自律神経に深く関係していて、その人の精神状態によって大きく左右されます。

例えば、怒りや悲しみ、心配、ストレスなどがあるときなどは胃液の分泌量が極端に減少します。

消化機能が落ちて、内容物が通常よりも長時間にわたり胃の中で停滞します。

胃に食べ物が長くとどまると「胃がもたれる」という症状になります。

また、ストレスが原因で自律神経のバランスが崩れると胃を保護する粘液の分泌が極端に鈍ることもあります。

そこへ、塩酸を含んだ胃液が分泌されると胃の内壁が溶かされて、その結果胃潰瘍となってしまうのです。

胃の粘液に対する胃液と粘膜のバランスによって、胃は食物のみを消化し、胃自体を消化せずにいるのです。

これが緊張やストレスが胃に悪影響をおよぼすメカニズムです。

ストレスが胃におよぼす影響

イライラは胃液の分泌を抑止して消化不良を悩み事や緊張は自律神経のバランスを崩し胃を保護する粘液が分泌されなくなります。