カンジダ
(提供元:国立感染症研究)

カンジダは真菌(カビ)の一種です。

セックスで感染しますが、健康な人でも体内に持っていることがあるので、性器からカンジダがみつかったとしても性器カンジダ症を発症しているとはいえません。

また、感染したからといってすぐに発症するわけではなく、抵抗力が落ちた時などに発症します。

病原体 カンジダ・カンジダ属
潜伏期 何年にも及ぶことがある。
検査 分泌物を顕微鏡で検査する。必要に応じて培養検査を行う。
治療 治療が必要な場合には、抗真菌剤の入ったクリーム、膣ちつ剤などを使用する。抗生物質、ステロイド、免疫抑制剤では悪化するので、必ず医師の指示に従って治療すること。
感染経路 カンジダは健康な人でも体内に存在することがある。潜伏期間が長く感染経路は様々なので、感染機会が分からないことも多い。常在菌として持っていたものが増殖すると、セックスで感染する場合がある。
免疫 個人差はあるが、抵抗力が落ちた状態や妊娠時に発症・再発しやすい。

カンジダ症とは

性器カンジダ症とは、カンジダという真菌が性器に感染する感染症で特に女性の膣に起きるケースが多いとされカンジダ膣炎または、膣カンジダ症と呼ばれています。

この菌は、不完全菌に属する酵母で性器周辺やその他の体表に存在している常在菌で、健康な人にも存在しますが免疫により過度の増殖を防いでいます。

カンジダ菌そのものは、人体の表皮や消化管、女性の膣粘膜に普通に常在し、健康に影響を与えるものではありませんが、体調の悪化などで免疫力が落ちると繁殖して日和見感染を起こすことがあるので注意しましょう。

性器カンジダ症は、体外に露出していて通気性が良く菌が増殖する環境ではない男性器では起こりにくい(ただし包茎の人はやや発生率が上がる)とされます。

一方、女性には非常にポピュラーな症状で、ビタミン欠乏症による免疫力が低下し悪玉菌増加による日和見感染であるため、性交未経験者でもしばしば発症し、痒みや性器の異常を感じて婦人科を受診することが多いようです。

性器カンジダ症は、性感染症に分類されていますが、カンジダ菌が常在菌でもあることから日和見菌感染症であるともされます。

カンジダの症状

女性の症状

陰部に強いかゆみがあります。おりものが白く、ヨーグルト状になったり、かたまりができます。

また、性器の炎症(痛みや熱感)、セックスの時に痛みが生じることもあります。

女性の自覚症状で多いのが、外陰部や膣のかゆみやおりものが増えるなどで、外陰の痛みや灼熱感、性交痛、排尿障害もみられ、膣口や陰唇、亀頭などの外陰部が真っ赤に炎症になることもあります。

他覚症状としては、外陰部の浮腫、発赤、白いおりものの付着などがあり、膣では白いヨーグルト状のもの付着する事があります。

男性の症状

無症状か、またはかゆみがあります。ペニスの先端が赤くなったり水泡ができることもあります。

男性の場合は、強い痒み、白いドロッとした、あるいは塊状のおりもの亀頭からの分泌物で自覚症状も他覚症状も女性に比べ少なく、症状があるとしても痒みや違和感を感じる程度で、稀に尿道炎を起こすほか、亀頭に発赤、水泡などができることもあります。

カンジダの原因

体調不良、過労、ストレス、体力・免疫力が落ち、菌に対する抵抗性が低下し常在菌が異常増殖するなどの原因で起こることが多いようです。

女性の膣内は乳酸桿菌の働きで酸性の粘液で保護され、常在菌の増殖を抑えていますが、月経前(黄体期)、妊娠中、ピルの服用などでホルモンバランスの変化すると、膣粘液の自浄能力が低下し常在菌が異常増殖する場合があるので注意しましょう。

また、抗生物質により性器を守っている善玉菌など他の細菌が死滅すると、体内の菌バランスが崩れ、真菌であるカンジダが異常増殖する場合もあります。

通気性の悪い下着・衣類の着用による陰部の蒸れ適度に温かく湿気の多い環境は、菌にとって格好の繁殖場所となるので身の回りの環境を清潔に保ちましょう。

性交パートナーの性器にカンジダが増殖していると、性行為を通じて感染する場合があります。

妊娠中の外陰膣カンジダ症

妊娠中に膣内にカンジダが陽性で、かゆみやおりものの増加がある時は治療が必要とされます。

36週以降で、分娩が近付いている状況で、膣内に多くのカンジダが存在している場合は、分娩時の産道感染を予防するために治療が必要です。

カンジダによる羊水内感染や産道感染により新生児の口腔粘膜に感染する事もありますが致命的ではありません。

早産、未熟児の分娩が予想される場合にカンジダが妊婦の膣内で多量に検出される場合は特に注意が必要で羊水感染や産道感染の可能性が高くなるとされています。

1500g未満の早産未熟児は感染に対する抵抗力が低いので重篤な全身感染症になる可能性が高まります。

カンジダの検査

カンジダの検査は、女性は膣分泌物を採取して、男性は性器の表面の付着物を調べて菌の量が適正かどうかを検査します。

膣や亀頭からのカンジダ菌の検出は性行為によるものが多く、再発を繰り返す例が多いので検出された場合は、パートナーも同時に検査を受ける必要があります。

男性用STD4種+のど2種(内部展開図) 女性用STD4種(内部展開図)

カンジダの治療

一般的には、性器の清潔と安静を保ち刺激性石鹸の使用を止め、通気性の良い下着の着用、性交渉を避けることが大切です。

主な治療法は、ビタミン剤と乳酸菌整腸薬の内服と抗真菌薬の外用が効果的です。

膣坐薬の挿入などは1週間程度効果が持続するタイプと、毎日挿入するタイプとがあり、抗真菌薬の軟膏の塗布もあります。

膣洗浄は、膣洗浄発症時に膣内で増殖した菌を洗い流して症状を鎮めるのには有効ですが、日常から過剰に膣内を洗浄していると、善玉菌まで洗い流してしまい、逆に感染症発生の原因になる可能性があるので過度な洗浄は避けましょう。

再発を防止するためにも、生活習慣を見直しカンジダが増殖した根本原因を取り除いて、日和見感染を起こさない環境に整えることが重要です。

ビタミン剤などの経口錠(飲み薬)による治療とともに、軟膏やクリーム(クロトリマゾールなど)を1日2~3回患部に塗るなどがありますが、栄養状態を改善し、バランスのとれた食生活を心がけることが重要です。