毛じらみ症(けじらみしょう)とは、ケジラミという吸血昆虫による性行為感染症です。
成虫の大きさは1mm~2mmで肉眼的には、陰毛の毛根にしがみついている時はシミに見えます。
この虫が陰毛を移動中にはフケにしか見えないため、発見には苦労します。
人間に寄生するシラミには、3種類あり、アタマシラミ、ケジラミ、コロモシラミです。
アタマシラミは頭髪に寄生し、コロモシラミは下着に寄生します。
性感染症を起こすのは、ケジラミです。
ケジラミは主として陰毛に寄生しますが、髭や眉毛にも寄生します。
陰毛の根本に卵を産み毛と毛の接触により感染します。
成虫は陰毛の毛根にフック状の鈎爪で身体を固定して皮膚から吸血します。
潜伏期間は1ヶ月から2ヶ月とされています。
なお、感染は保有者との性行為とされ、そのため性感染症扱いされますが
実際には集団で入浴するなどの場合にも感染する例があるようです。
症状は、陰毛部の異常な痒みである。
痒さは、男女を問わず人前で陰部をかきむしるほどとされます
また、吸血した皮膚より出血して下着に血痕が点々と付着するので、
血尿を訴えて罹患者が来院することもあるようです。
検査は、成虫の確認のみです。
痒いと思ったら、陰毛を根元から爪で梳いたり抜いたりすると根元の卵を採集できます。
紙の上でつぶすと生物的な破裂音がするので卵と確認できます。
治療は、剃毛(ていもう):陰毛を全部剃ることが大切です。
成虫が生息できない環境にし、卵を陰毛に産み付けられないようにします。
何かの事情で剃毛出来ない場合には、次の2つの方法があります。
櫛でブラッシング:目の細かい櫛で陰毛を丹念にすくことで成虫を除去できますが
卵は除く事ができません。
殺虫剤:商品名スミスリンパウダーを3日に1回陰毛部に散布して成虫を殺します。
これを2週間(4,5回)続けます。