梅毒トレポネーマ

(提供元:国立感染症研究)

性の感染症で、何年もかかって進行していきます。

昔の病気と思われがちですが、近年患者数が増加しセックスの時に粘膜や皮膚の小さな傷から感染します。

病原体 梅毒トレポネーマ
潜伏期 約3週間
検査 梅毒トレポネーマの検出または血液検査で診断する。検査は感染したと思われる時から4週間以上経過してから受けることが必要。
治療 抗生物質が有効で、菌を死滅させることはできても、臓器などに生じた障害を元に戻すことはできない。早期の治療が大切。セックスパートナーと一緒に完全に治すこと。
感染経路 菌を排出している感染者との粘膜や皮膚の接触を伴うセックスで感染する。妊婦は胎児に感染させる可能性がある。
免疫 免疫はできず何度でも感染する。

梅毒とは

オーラルセックスでも感染します!

膣ちつ性交やアナルセックスをしなくても、オーラルセックスだけでも感染します。

感染しても痛くない!

梅毒に感染しても、症状がなかったり、皮膚に症状がでても痛くないことがあります。

また、最初の症状は1か月ほどで自然になくなり、気が付かなかったり、治ったと思い込むことがあります。

そのため、心当たりがあるときは、梅毒検査を受けましょう。

症状がなくても感染する!

自覚症状がなくても、パートナーを感染させてしまったり、パートナーから感染をもらうことがあります。

ピンポン感染!

自分だけが治療してもパートナーから再感染したり、その逆もあるので、パートナーと一緒に完全に治すことが必要です。

何度でも感染する!

完治しても免疫はできないので、感染を繰り返すことがあります。

治療した後も、引き続き、コンドームを正しく使用したり、気になる症状があれば早めに医療機関を受診しましょう。

また、症状がなくても、検査を受けることで、早期発見・早期治療ができるので、定期的に検査を受けましょう。

妊娠中は特に注意!

お腹の赤ちゃんに感染してしまうことがあります!

梅毒に感染している妊娠中の女性から、梅毒がお腹の赤ちゃんに感染してしまうことがあります。

今までのところ、生まれてくる赤ちゃんが梅毒に感染している先天梅毒は年間0〜3件程度の発生ですが、若い女性の間での流行がこのまま続けば、先天梅毒が増える心配もあります。

先生

梅毒は、トレポネーマ・パリズムという病原体によって引き起こされ感染力が非常に強く、放置すると子孫にも深刻な影響を及ぼす古くから世界中に広く分布している病気なのじゃ

女の子 普通

この菌は低酸素状態でしか長く生存できないため、感染経路は限定され、大部分は菌を排出している感染者との粘膜の接触を伴う性行為や疑似性行為でああることを覚えておこう

まれに、傷のある手指が多量の排出菌に汚染された物品に接触して伝播されることもあるようですが輸血による感染は劇的に減少し、近年ではほとんど報告はありません。

感染経路は、性行為によって感染する他、台盤を通じで母子感染をするなどが多いのが特徴です。

梅毒の症状

梅毒は、病気の進行によってⅠ期からⅣ期までステージ分類されています。

感染後3週間程度の潜伏期(第一潜伏期)を経て、経時的に様々な臨床症状が逐次発症します。

第1 期梅毒

感染後約3週間で、感染した場所(性器、肛こう門、口など)に、できもの、しこり、ただれなどができます。治療しなくても、数週間で症状は消えます。

先生


Ⅰ期の症状は、2~3週間の潜伏期が過ぎた後に現れ

女性の場合は外陰部に、男性の場合は陰茎に

大豆のような大きさの痛みのない硬いしこりができるのじゃ

そして感染後6週間経過すると鼠径リンパ節に痛みのない腫れが現れるので覚えておこう

やがてしこりは崩れて硬性下疳(こうせいげかん)と呼ばれる痛みのない潰瘍になります。

オーラルセックスによるものでは、病巣が数個のものや口唇など陰部外に下疳ができるものもあり、それらは、まもなく消えて病気だけが潜伏します。

第2 期梅毒

1期の症状が一旦消えた後に、1〜3か月経つと、手のひらや足の裏など全身に発疹やブツブツができます。治療しなくても、数週間〜数ヶ月で症状は消えます。

先生

Ⅱ期は感染から9週間、長ければ3年の間に症状が現れ

リンパ節の腫れ、発熱、頭痛、倦怠感などの症状に加えて

全身に梅毒特有の赤い皮疹が現れるんじゃ

痒みがないのが梅毒の特徴で、しばらくすると皮疹は消えますが、その後何度か再発と消滅を繰り返すのが特徴じゃ

最後には、陰部、口、乳房など特定の場所だけに皮疹が現れるようになります。

肛門や女性の外陰の丘疹がやわらかく白くなり、ビランを作ったところにはトレポネーマが豊富に存在します。

第3 期梅毒

潜伏梅毒

症状がないまま何年も経過することがありますが、皮膚や内臓で病気は静かに進んでいます。

神経梅毒

数年〜数10年後に、心臓、血管、神経の異常が現れることがあります。

驚く先生

Ⅲ期は感染から3年を経過したところから始まり

ゴム腫と呼ばれるシコリができるのじゃ

このステージになると内臓、心臓血管系、骨、中枢神経系なども冒され

脳が冒され認知症の症状が現れたり大血管が冒されて大動脈瘤ができたり大変じゃ

1 心臓血管梅毒

[心血管への移行](10 ~30 年、アフリカ人種以外では稀)大動脈瘤、大動脈弁逆流、冠状動脈口狭窄

2 神経梅毒(変性梅毒)

[中枢神経への移行]

A)無症状期:(~2 年)脳脊髄液中の白血球数、タンパクレベル上昇などのCSF異常のみの時期。

B)急性梅毒髄膜炎:(~2 年)頭痛、錯乱

C)上部神経麻痺:(~2 年)顔面、聴覚神経麻痺

D )進行麻痺:(5~7年、男性の症例が有意に多い)頭痛、めまい、人格障害、血管障害など

E )脊髄癆:(10~20年、男性の症例が有意に多いが、ペニシリン治療の普及で現在では稀)進行性痴呆、

疲労感、運動失調、脊髄根部疼痛、無反射症、アーガイルロバートソン瞳孔(反射性瞳孔硬直)など。

*D), E)の時期を特に「第4 期梅毒」として区別する研究者も多い。

F )ゴム腫:(~15 年)ゴム腫、結節性梅毒疹、などの肉芽腫、単球浸潤

梅毒の検査

女の子 普通

梅毒の検査は、男女共に血液を採取し

血液中の病原体の有無を確認します。

感染から4~5週間過ぎなければ血液検査で陽性反応が出ません

検査可能な時期は4週間以降となります。

HIV感染者が梅毒に感染すると潜伏期が短くなりⅠ期からⅢ期まで数ヶ月で進行し、エイズ患者は梅毒にかかっていても、梅毒反応が陰性に出ることが多いとされるので注意しましょう。

また、重篤化し速やかに進んで神経梅毒となるので放置は禁物です。

男性用STD4種+のど2種(内部展開図) 女性用STD4種(内部展開図)

治療と予防

治療方法は、ペニシリンなどの抗生物質が中心になりますが、日本では、ベンジルペニシリンベンザチンの120 万単位を2 ~4 週間にわたり内服する方法がよく行われ、アンピシリンが使われることもあります。

予防としては、感染者、特に感染力の強い第1 期及び第2 期の感染者との性行為、疑似性行為を避けることが基本であるとされます。

驚く先生

梅毒は早期発見すれば治療も簡単じゃが

進行した梅毒の治療には時間もかかり治り難い

早期発見のための検査が必要じゃぞ!