クラミジア

(提供元:国立感染症研究)

本で最も多い性感染症です。自覚症状がない場合が多く、感染に気付かないことがよくあります。しかし、進行すると、不妊症や母子感染など様々な病気の原因になるので、きちんと治療する必要があります。

病原体 クラミジア・トラコマチス
潜伏期 1〜4週間
検査 尿や分泌液、おりもの、咽いん頭擦過物、咽いん頭うがい液の培養検査や遺伝子学的検査で診断する。血液クラミジア抗体を調べる検査は、過去に感染し、治ゆした人も陽性となることがある。
治療 抗生物質が有効。決められた期間きちんと服薬しないと菌が残ることがある。必ず医療機関で診断を受け、セックスパートナーと一緒に完全に治すこと。
感染経路 菌は、喉のど、直腸、尿にも出るので、口、肛こう門、尿を使ったセックスも危険
免疫 免疫はできず何度でも感染する。

クラミジア感染症とは

先生

クラミジア感染症の病原体は、クラミジア・トリコモナス

という微生物で、

この病原体が性行為によって保菌者から感染し発症するんじゃよ

また、口腔性交による咽頭への感染も少なくないので

オーラルセックスでも注意が必要じゃ!

女の子 普通

日本では、最も感染が多い性感染症(STD)で、

特に、女性がかかる感染症の中で最も多い感染症なんだよ!

若い女性が性行為により感染することが多く

新生児は母親からの産道感染もあるから注意しようね!

クラミジア感染 男女比

驚く先生

その通り!この感染は男女とも性的活動の活発な若年層に多いんじゃが

特に女性の感染が多く29歳以下では男性患者数を上回っておる!

初交年齢の低下に伴って10代の女性の感染率の高さが、

将来の不妊につながることが憂慮されておるんじゃ

女の子 困る

女性では 感染を受けても自覚症状に乏しいため、診断治療に至らないことが多く、無自覚のうちに男性パートナーや出産児へ感染させることもあるので注意しましょう!

感染の経路は、性行為のより感染者から伝染り子宮頚管から上に向かって子宮、卵管を通り腹腔内に侵入します。

クラミジアの代表的な症状や

感染しやすい部位を表にしたので

思い当たる症状があったら検査をしましょうね!

潜伏期間

クラミジアの潜伏期間は個人差がありますが、男性・女性とも1週間~3週間あたりといわれています。

この潜伏期間を見てもわかるように、クラミジア感染症は、ほぼ無症状で発見が遅くなるため注意が必要となります。

感染の心当たりのある日から、3~4日過ぎていれば検査可能となります。

「潜伏期間中にはうつることはない・・・」と思われている方もいますが、それは間違いです。

潜伏中でもうつりますので、注意が必要となります。

クラミジアの増殖を例えていうなら、カプセルの中で静かに仲間を増やし、48時間たつとそのカプセルを破り、又仲間を増やし増殖していく・・・という仕組みです。

その間は、ほぼ自覚症状のでることのないまま増殖していくので、わからずにパートナーに感染してしまいます。

世界では100万人ほどの感染者がいるといわれていますが、割合でいくと、女性は男性の3倍ほど感染者が多いとされています。

クラミジア感染症の症状

男性の症状

症状は軽く、尿道がむずかゆくなったり、排尿の時に軽い痛みがある程度です。尿道分泌物による下着の汚れで気付くこともあります。治療しないと精巣上体炎、男性不妊症を起こします。

驚く先生

男性の場合は、潜伏期間である1~3週間が過ぎると

尿道の不快感が出たり排尿痛になったりし、

尿道から分泌物が出ることもあるんじゃ

放置すると炎症が尿道から精巣上体、前立腺へと進行し、

精子の通過障害が起こると不妊の原因になるので注意が必要じゃ

男性では尿道炎が最も多く、若年層の精巣上体炎の原因ともされているので注意が必要です。

排尿痛、 尿道不快感、そう痒感などの自覚症状がでているようなら検査をすると良いでしょう。

淋菌性尿道炎に比べて潜伏期間は長く、2〜3 週間とされます。

女性の症状

普通は無症状です。症状があっても、おりものが少し増えるとか、軽い生理痛のような痛み、不正性器出血などですが、黄色い濃いおりものが出ることもあります(進行すると→卵管炎、腹膜炎、子宮外妊娠、不妊症を起こすことがあります)。

女の子 驚く

女性野場合は、自覚症状が殆ど無いことが多いみたい

潜伏期間は1~2週間で、最初の感染は子宮頸管炎から始まり

症状はおりものが多くなる、下腹部の軽い痛みがあるなどで、

苦痛を催す程度ではないため見過ごされがちなので注意してね。

子宮頸管炎、骨盤内付属器炎、肝周囲炎、不妊などを起こすが、自覚症状の乏しい場合が多いため、潜伏期間を特定する のは困難であるとされます。

また、妊婦の感染は新生児のクラミジア産道感染の原因となり、新 生児肺炎や結膜炎を起こします。

更に、淋菌との重複感染も多く、淋菌性尿道炎の治療にもかかわらず症状が軽減しない場合は、クラミジアの感染が疑われます。

咽頭への感染がある場合は、しばしば頸部 リンパ節腫脹などがみられ、鼠径リンパ節の腫脹、化膿を起こし、致命的ではな いが、放置すれば陰部の象皮病などの原因となるります。

卵管炎、骨髄腹膜炎を起こすと、下腹痛、性交痛が出て、時には激しい痛みが起き、下腹部痛が起こります。

一方で、症状がなくても病気は水面下で着実に進行し、放置すると子宮頚管、子宮内膜、卵管などが炎症を起こし不妊症の原因ともなります。

また、妊娠中には絨毛羊膜炎を起こし、流産や早産の原因となったり分娩時に胎児に感染すると新生児結膜炎や新生児肺炎を引き起こします。

喉の症状

男女ともにオーラルセックスにより、咽頭炎や扁桃炎を発症することもあり、風邪の症状に似ているために、放置されるケースが多いので注意しましょう!

クラミジア感染症の検査

検査は、女性は分泌物を採取し、男性は尿を採取しの病原体の有無を検査します。

男性用性病4種 女性用性病4種

クラミジアの治療と予防

最近では、クラミジアに有効な抗生物質が開発され1回の服用で済み、10日間ほど性行為を控えれば治るので気軽に検査を受けると良いでしょう。

この薬以外では1~2週間は投薬を続ける必要がありますが、症状が慢性化して卵管などが癒着してしまった場合は治療期間が長くなるとされます。

治療には抗菌薬、とくにテトラサイクリン系薬、マクロライド系薬、およびニューキノロン系薬が 使用されます。

先生

クラミジアは男女間でお互いに感染させる、

ピンポン感染があるのでパートナーと一緒に検査を

することが重要じゃぞ

予防にはコンドームの使用や

感染が疑われる相手との性的交渉を避けることが大切じゃ

クラミジアを放置するとどうなるか?

クラミジア感染症は、ほぼ無症状なのですが、わからずに放置しておくと重篤な病気に発展してしまうこともあります。

例えば、男性では「前立腺炎」「副睾丸炎」「尿道炎」などがあります。

女性では「子宮内膜炎」「子宮頸管炎」「卵管性不妊症」「子宮外妊娠」「骨盤内付属器炎」などがあります。

実は性器クラミジアは、淋菌や他の感染症と重なって感染していることもあり、淋菌性尿道炎の感染者は20~30パーセントの確率でクラミジア感染しているといわれています。

又、とても恐ろしい事実なのですが、クラミジアを放置しておくとHIV(エイズ)に5割ほどかかりやすくなってしまうのです。

実際にあった女性の話をしましょう。

朝起きてベットから起き上がろうと思ったのですが、下腹部があまりの痛さで起き上がることもできなかったそうです。

歩くこともできず旦那さまに抱えられて病院に行ったところ、「卵管がかなりの炎症をおこしている」ということで緊急手術となりました。

無事手術が終わり、後で担当医の先生に原因を聞いたところ、「卵管がクラミジア感染していた」ということだったのです。

その時女性は、クラミジアは性器以外にも感染してしまうということを初めて知り、とてもおどろいたようです。

卵管が炎症をおこす原因としては、大腸菌の感染が多いそうなのですが、最近ではクラミジアが感染していることも度々あるそうです。

その女性は幸い、左の卵管の少しを採ってすんだようですが、最悪の場合は子供を生むことの出来ないくらいダメージをおおっていたかもしれないのです。

これは女性としてはとても悲しいことです。

この女性は何度かクラミジア感染しており、病院で完治したつもりでいたようなのですが、こういう結果となってしまいました。

もっと知識を持って行動していれば、このような結末にならずにすんでいたかもしれません。

自分では完治したと思っていたはずが、最後にこのような結末になってしまった・・・ということは、いかにクラミジア感染しても症状が出てこず、長い間気が付かずに過ごしてしまっていた・・・という恐ろしい事実なのです。

クラミジアに自然治癒はあるか?

性感染症であるクラミジア、放っといても治るんじゃないの?と思いませんか。

だって風邪って誤魔化しているうちに自然に治りますよね。

レアケースではガンが治る人もいます。

こういうことを考えますと、完全に自然治癒しないとは言い切れません。

実際、自然治癒したデータを集めた海外論文もあります。

とはいっても実際には、クラミジアは免疫力だけで退治するのが難しいのです。

しかしそれ以上に怖いのは、自然治癒に任せておくと、症状が消えた時点で「治った」と思い込んでしまうことです。

実際は自然治癒したと思っても体内に細菌が残っているケースが大半です。

細菌性の病気は抗生物質で治療をします。抗生剤を処方されたことがある人なら「症状が消えてもすべて飲みきってください」と言われたことがあるでしょう。

体内に細菌があることと、本人の症状がないことは別なのです。

体内に細菌やウイルスが残っていると、自分に症状が無くても他の人に移す可能性があります。

インフルエンザなどにかかると、症状が治まっても「自宅待機」することが決まっていますね。

これは周囲の人に病気をうつさないためです。

クラミジアの1番困る点は「感染しやすい」点なのです。

元々発症しても症状が軽く、性感染症意識の低い人はそのまま性交渉をしてしまい、すぐ相手に感染します。

そして女性の場合、症状が軽いばっかりに気づいた時には不妊という不幸が、最近とても増えているのです。

治療を受けることで、まずクラミジアに感染しているかどうかが解ります。そして血液検査で体内に細菌がいるかどうかも調べられます。

クラミジアの治療は、治療後の検査で1度陰性が出たからおしまい、になるわけではありません。

治療直後に陰性になっても、まだ「細菌の残り」がいる可能性があるのです。

従って4週間後に、もう一度検査をして、陰性だった場合「完治」ということになるのです。

自然治癒の落とし穴は「完治したかどうかの保証がない」という点にあります。

感染しやすい病気だからこそ「完治した太鼓判」をもらうためにも、病院での診断が大事なのです。

クラミジアに感染するとエイズの感染率が高くなるのか?

性感染症、中でもクラミジアは非常に多い病気であるにも関わらず、症状が軽いうえ「所詮他人ごと」という考えが広まっているせいで、かなり残念な事態が急増しているのです。

性感染症の中でも4人に1人は感染していると言われるクラミジアをここでは主に取り上げますが、性交渉がある以上、当然他の性感染症にかかる確率は増減します。

中でも1番危険なものはエイズ(HIV)ですね。

クラミジアの場合は、かかった患者本人の苦痛よりは、病状が進行して不妊になったりする弊害の方が大きいのですが、HIVの場合は本人の命に関わります。

一生薬を飲み続けなければなりません。

また妊娠出産にも影響が出てきます。

ただしHIV患者が子供を持てないわけではありません。

男女どちらが感染していても、事前の対策をきちんと考えておけば「子供のいる家庭」を築くことは可能です。

そんなHIVとクラミジアの関係ですが、クラミジア感染者は普通の人よりHIV感染リスクが5倍ほど高いのです。

クラミジアは粘液から感染します。つまり粘液部分~口の中や性器といった部分が、病気の炎症で弱くなっていたり、損傷していたりする可能性が高いんですね。

その分、他の性感染症の病原菌が入り込みやすくなるんです。

2013年の時点でHIV感染者は30代が最も多く、続いて40代、20代になっています。

実際の発症年齢は40代以降が多数です。

HIVは感染してから発症までの潜伏期間が10年と長いため、このような結果になります。

さて、次にクラミジア感染者ですが圧倒的に20代が多いのです。ついで10代後半、30代前半、どちらかというと女性に多く見られます。

これを先のHIV感染データに当てはめてみましょう。今のクラミジアの近年にない患者数を考えますと、30、40代でHIV発症、働き盛り、人生の1番楽しい時期にHIVという重い病気を抱えることになるのです。

ここが、クラミジアの怖い所なんですよ。

早くから手を打てば、性感染症は血液検査ですので、クラミジア、HIV共に結果が解ります。

またコンドームでどちらもかなり感染を防げます。

性感染症の意識のあるなしで、中高年以降の人生が変わるのです。

不妊症になるのか?

近年若い女性を中心に増加するクラミジア、差婦人科が最も懸念している状況の1つです。

クラミジアは性感染症ですが、症状自体はそこまで重いわけではなく、男女ともに症状自体がない人も珍しくはありません。

では、なぜクラミジア性感染症への警告が鳴らされ続けているのでしょうか?

それはクラミジアは不妊症を招き、仮に妊娠出来ても大きなハンデを追ってしまうからです。

また症状が軽いだけでなく、オーラルセックスやディープキスでも感染します。

つまり「自分がかかるかもしれない」とは全く思わない人が多すぎるからです。

症状が出ないことと、感染していないことは同じではありません。

クラミジアを発症した場合の女性の症状は、下腹部痛、おりものの増加や、においの悪化と、体調がちょっと悪かったのかな?という程度が大半です。

細菌感染なので、抗生物質で治すことが出来ますが、たまたま風邪で抗生剤を服用していたり、自分自身の免疫力で、そのまま収まってしまうこともあります。

しかし、クラミジア菌が体内から消えた保証はありません。「治った」という自己判断はとても危険です。

クラミジアは当初は軽い症状ですが、細菌が体内に残っていると、膣~子宮頸管~子宮内部~卵管と、どんどん炎症が広がっていきます。

最悪の場合は、卵管から卵巣に炎症が飛んだり、子宮外の骨盤まで炎症を起こします。

病気としてもつらいですが、このように婦人科系の臓器すべてに炎症を起こすため、不妊症になりやすいのです。

もっとも危険なのが卵管が細菌に侵されて起こる「卵管炎」です。

卵管は排卵後の卵子の通り道でもあり、精子との受精の場です。

炎症を起こすと、卵子が卵管に出てこられないなど、様々な不具合が起きてきます。
 
妊娠とは、卵巣から卵子が排出され、卵管で精子が出会い、子宮で着床する仕組みですが、この仕組みは少しでもバランスが崩れれば成立しません。

生理や卵子があれば妊娠するというほど、甘い構造ではないのです。

だからこそ、女性は特に性感染症をはじめ、自分の体をよく知っておかなくてはいけないのです。