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流産とは、妊娠22週未満に妊卵や胎児が子宮の外に排出されたり、子宮内で死亡して正常な妊娠の経過が停止した場合を指します。

早産は妊娠22週以降から37週未満に分娩することを言い、正常分娩は妊娠37週から42週未満の分娩を指します。

流産

妊娠初期の原因は、胎芽、胎児の染色体異常、発育異常、奇形によるものが多いとされ母体の感染症によるものは少ないとされます。

母体の感染症には全身的な感染、局所的な感染、性器の感染がありそれぞれに病態が異なります。

病原体の全身的な感染により39度~40度の高熱になると子宮内の胎児が死亡する場合があります。

この時は、病原体の種類にかかわらず高熱が流産の原因となります。

母体の血液中に病原体が侵入して血液とともに全身を循環する時、病原体が子宮内の胎児にも侵入して胎児感染により胎児が死亡することもあります。

また、死亡を逃れても感染により特有の病態に陥った新生児が生まれる場合があります。

このような病態をきたす病原体には、梅毒トレポネーマ風疹ウィルス、パルボウィルス、サイトメガロウイルス、B型肝炎ウィルス単純ヘルペスウィルス等があります。

一般に妊婦は感染に対して抵抗力が弱く妊娠中に感染すると重症化や長期化するケースが多いとされます。

早産

低体重児の出産の大きな原因は、早産の増加であり膣や子宮頸部の感染が大きな原因となります。

通常の膣内はpH3~4の酸性に保たれていますが、酸性である理由は膣粘膜の上皮細胞に含まれるグリコーゲンを正常な女性の膣内に常在する乳酸桿菌が分解して酢酸を作っているからです。

人体に有害な作用をする細菌の多くはアルカリ性の環境で増殖するため酸性の膣内では増殖することが出来ません。

しかし、性行為などの原因で乳酸菌桿菌を主とする膣内正常菌が複数の菌に置き換わった状態になることがあります。

この状態を細菌性膣症と呼び、妊婦の細菌性膣症の発生頻度は1割から3割とされ、細菌性膣症の妊婦は早産の可能性が1.5倍になるとされます。

制菌性膣症の病原体は、バクテロイデス、モビルンクス、ペプとストレプトコッカスコリネバクテリウム、膣ガルドネルラ、マイコプラズマ、ウレアプラズマとされます。

細菌性膣症は無症状であることから気づかれずに経過し早産の徴候で診断されることが多いとされます。

妊娠すると母体の細菌感染への抵抗力が下がるので頸管内で細菌が増えて病原性を発揮するようになり頸管炎となります。

細菌が頸管内を上昇して内子宮口に達すると胎児を包んでいる脱落膜に炎症を起こします。

その結果、子宮を収縮する働きを持っているホルモンが出て子宮収縮が始まり、お腹が張ってきたり子宮の壁が硬くなり早産の始まりになります。

その結果、羊水の内圧が上昇し、子宮の出口へ圧力をかけて子宮口を拡大させて頸管を短くします。

また、細菌感染が絨毛膜、羊膜へと及ぶと絨毛膜羊膜炎を起こし普段は圧力に強い羊膜がもろくなり破れて羊水が流れでて早産が始まります。

羊膜に穴があくと羊水の中に細菌が侵入して羊水は細菌の増殖を抑制できず細菌が増殖します。

胎児は羊水を飲み込んでいるので細菌を飲み込み胎児は抵抗力が弱いため重症化しやすくなります。

早産で生まれる赤ちゃんは肺が十分に発達していないため低酸素状態になり死ぬ可能性も高く、分娩後脳障害が残ることもあり、細菌が繁殖した羊水の中にいるため重症化する場合もあります。

妊娠中の細菌性膣症の診断、治療、頸管の炎症の早期発見、絨毛膜羊膜炎の早期発見、破水の早期診断、羊水感染の早期診断等により早産の発生を抑えたり、適切な治療ができるような状態が大切になります。