HBV(B型肝炎)

(提供元:国立感染症研究)

型肝炎は、急性と慢性に分けられます。母子感染では90%が慢性化し、大人になってからの感染で慢性化するのは2%〜6%と言われています。

20歳代〜 50歳代の急性B型肝炎の感染経路としてセックスは重大な感染経路です。

慢性化すると、肝硬変や肝がん等、健康に重大な影響を及ぼします。予防には、予防接種が効果的です。

病原体 B型肝炎ウイルス
潜伏期 急性肝炎の場合1-6か月
検査 血液検査により診断する。検査は感染したと思われる時から、100日(3か月程度)以上経過してから受けることが必要。
治療 治療によりウイルス量を減らし、肝障害の進行を抑えることができるので、早期に発見し、治療することが大切。
感染経路 血液、精液、膣ちつ分泌液に多く含まれていて、粘膜や傷口から感染する。主な感染経路は、性行為感染、母子感染及び注射針の回し打ちなどの血液を介しての感染の3つ。
免疫 感染を予防するワクチンがあります。平成28年10月より乳幼児の定期予防接種になりました。

B型肝炎ウイルスの中では感染力の強いウイルスで、血液や体液を介して感染します。

日常生活の場で感染する危険性は、きわめて低いものとされます。

慢性肝炎とは、通常6ヵ月以上肝炎が続いている状態を指します。

発症頻度

日本の急性肝炎の30%、劇症肝炎の40%、慢性肝炎の20%がB型肝炎ウィルス(HBV)によるものとされています。

昔の日本では200万人を超えるHBVキャリアが存在すると言われていましたが、現在は人口の約1%の、100万人~150万人に減少しているとされています。

慢性肝炎を発症するのはこの内10%とされ、B型慢性肝炎の患者数は全国で15万人とみられています。

キャリアの3~4%は慢性肝炎から肝硬変、肝ガンへと進展し年間1万人前後が死亡しているとされています。

また、B型きゅうせい1~2%が劇症化すると言われており年間1000人前後が亡くなられているようです。

感染ルート

水平感染と垂直感染に分かれます。

水平感染は、輸血、注射、鍼治療、刺青、セックスなどによりキャリアの血液や精液に接触した際に感染します。

HBs抗原陽性やHBc抗原量の多い血液のスクリーニングが実施され注射器が使い捨てになったことで、輸血や注射などの医療行為による感染の心配はほとんどなくなりました。

減っていない感染は性行為による感染で知識の普及が待たれます。

他方で、垂直感染とはキャリアの母親から赤ちゃんに伝染る母子感染のことで95%が出産で産道を通過する際に感染することがわかっています。

キャリアとは

B型肝炎ウィルスに感染している人は、HBs抗原と呼ばれるウィルスのタンパク質が常に血液中に存在しています。

このHBs抗原の陽性が6ヶ月以上続いている人をB型肝炎を運ぶ人、つまりキャリアという呼び方をされています。

B型肝炎では、キャリア化した人の10%が慢性肝炎に移行します。

残りの90%以上の人が急性発症をするか、肝炎を生じないまま無症候性キャリアになります。

症状

急性

症状は比較的ゆっくり出ます。微熱、食欲不振、だるさ、吐き気・嘔吐、みぞおちの右側の痛み、お腹が張るなどの症状がみられ、引き続き、黄おう疸だんが出てきます。

多くの場合は、これらの症状は1か月程度で回復します。

慢性

免疫がまだ十分でない乳幼児や、抵抗力が弱っている大人が感染すると、ウイルスキャリアとして慢性化します。

はっきりした症状が出ないまま、気が付かないうちに肝硬変や肝がんに進行します。

経過

経過は感染した年齢によって大きく異なるとされます。

成人後の水平感染では、70~80%の人が症状の発症しない不顕性感染で済み20~30%が急性肝炎へ移行するとされます。

B型急性肝炎では、1~6ヶ月、平均すると約3ヶ月の潜伏期間をへて発症します。

全身の倦怠感、発熱、頭痛を伴う風邪に似た初期症状が1~2週間続いた後黄疸が2~4週間続きます。

黄疸が消える頃には、GOT、GPT値も正常化して肝炎がおさまります。

他方で、垂直感染や3歳ころまでの水平感染では85%がキャリア化すると言われています。

キャリアの肝細胞ではウィルスが活発に増殖を続けて血液中のHBs抗原が高値で陽性を示します。

思春期から25歳ごろまでに、異物に対する免疫機構が目覚め攻撃を開始します。

多くは肝障害が軽く、自覚症状がないまま肝炎がおさまるとされ急性肝炎と同様の症状が出ることもしばしばあるとされます。

一過性の感染とは異なり、持続感染からの発症なので、これを急性肝炎とは区別してキャリアからの急性肝炎と呼ばれます。

キャリアの10%は、HBえ抗原が要請で、GOT、GPT値の異常が続きこの肝炎が慢性に移行するとされています。

キャリアの3%~4%、つまり慢性肝炎になった人の3人に1人が肝硬変か肝がんを発症するとされています。

他方で、キャリアの残り90%は、肝炎がやがて沈静化して、HBe抗原が陰性にHBe抗体が陽性になります。

これは、ウィルスが肝細胞から排除されたわけではありませんが免疫機構によって活動を抑えられた状態でセロコンバージョンと呼ばれます。

キャリアの多くはこのセロコンバージョンが続き、以降は肝炎を起こさない無症候性キャリアとして普通に日常生活を送れます。

慢性肝炎に移行したキャリアの場合もHBe抗原のセロコンバージョンが起これば肝炎がおさまることから、以前はこのセロコンバージョンがB型肝炎の治療の目標とされていました。

しかし、セロコンバージョンに至った患者さんの経過を観察すると肝炎をぶり返したり、肝硬変に移行するケースもしばしばあるようです。

よくHBVをりんごに例えることが多いようで、HBs抗原が皮、HBe抗原が果肉にあたり、芯の部分にはこれらのタンパク質を合成するための情報である遺伝子のDNAがあります。

HBe抗体がこの抗原に刺されば、肝細胞もろとも白血球に食べられ排除されます。

これがHBe抗原のセロコンバージョンですが、肝炎がぶり返すということは、芯にあるDNAが変異をしたこを意味します。

DNAが変異をすると、タンパク質も変わり、この変異をしたHBVを変異株と呼びますが、抗体では対処ができません。

セロコンバージョン後も血液中のBV-DNAが多い人は、ウィルスの変異株が増殖を続けており慢性肝炎のぶり返しだけではなく時に劇症肝炎を誘発する可能性もあるので注意が必要とされます。

治療法

B型急性肝炎では、1~2%が劇症化するとされ、黄疸期は入院して経過を見るのが最良とされます。

B型慢性肝炎では、安静と食事療法が中心となり抗ウィルス薬や免疫調整薬も投与されます。

抗ウィルス薬では、インターフェロン、ラミブジン、免疫調整薬ではセロシオン、サイモシンalなどの新薬も登場して大きない期待を集めています。

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