
処女膜、膣、子宮は互いに内腔で通じていますがどこかの部位に先天的にであったり炎症などによって、後天的に閉鎖してしまうことを鎖陰と言います。
鎖陰には、両側の小陰唇が閉じている場合がある他、処女膜が閉鎖している場合、膣の一部が閉じている場合、先天的に膣が無い状態があるとされます。
処女膜閉鎖症
処女膜閉鎖症の多くと膣欠損症は先天的なものとされています。
処女膜閉鎖症を放置すると月経血が膣に溜まり膣溜血腫のリスクが高まります。
また、子宮にたまると子宮溜血腫、卵管にたまると卵管溜血腫になります。
ひどいケースでは卵管から腹腔内に血液が逆流したり、細菌に感染して敗血症などを起こし重篤になる場合もあります。
膣閉鎖症
膣閉鎖症には先天的なものと後天的なものがあり、後天的なものの原因として幼少時にはしか、ジフテリアなどの急性伝染病にかかり潰瘍性膣炎を起こしたり婦人病の手術を受けて膣壁が癒着してしまうケースが多いようです。
症状
無月経
初潮までは無症状であることが多く異常に気づかないとされます。
鎖陰では、思春期になり体は成熟しても月経が始まらないとされます。
閉鎖により月経血が外に出ず初経になっても気づかない事もあるようです。
下腹部痛
お腹や腰が張り、毎月1回、定期的に1週間程度激しい下腹部痛を起こすとされます。
毎月強くなり吐き気や嘔吐を繰り返すようになります。
15歳になっても初潮がない、毎月繰り返し強くなる下腹部痛がある場合は鎖陰の可能性があるので医師の診察を受けましょう。
治療
処女膜閉鎖症を
入院して閉鎖部の手術が行われます。
癒着して再び閉鎖しないように形成手術も行われるようです。
膣欠損症
先天的に膣がない膣欠損症では、人工的に膣を作る人口造膣手術が行われます。
外陰部の皮膚やS字結腸を使って人工的に作られます。
膣閉鎖症
閉鎖部位と範囲や年齢によって手術が選択されるとされます。